モンテディオ山形監督人事に関する記者会見の要旨
(2006.11.20.)
来季モンテディオ山形監督人事に関するご報告
海保理事長(以下「海保」):
2006シーズンは終わったわけではありませんが、11月30日には選手の移籍リストを提示する時期にも来ていますし、出来るだけ早く監督問題に決着を付けたいと思い、本日このような運びとなりました。2007年シーズンの監督は引き続き、樋口靖洋監督になります。よろしくお願いしたいと思います。
来季の続投要請を受けての挨拶
樋口靖洋監督(以下「樋口」):
今季、初めて山形に来て指揮を執らせていただいて、なかなかいい成績にならなかった状況で、来季もう一度チャンスをいただいたこのクラブに感謝をしております。まだもう少しシーズン残っていますが共に戦ってきた、スタッフ・選手・サポーターにも改めて感謝の気持ちを伝えたいと思います。今シーズン実際やれたことやれなかったこと、そして出来たこと出来なかったこと、それをしっかりとシーズン終了後、整理をして来季にチームが、そしてクラブがしっかりと成長した姿、そして成績を残すことに向けて、いい準備が出来るように残りシーズンベストを尽くして、来季を迎えられるような形をとりたいと思います。ベストを尽くしてがんばります。
質疑応答
―続投を決めた理由をお聞かせください
海保:
11月8日に話をしました。どういう話かというと、1つは48試合という長いリーグ戦、天皇杯を含めて実質46試合を戦ってきての印象を聞きました。想像以上に長かったということ、途中においてこうすれば良かった、などの話をしました。チームの攻守両面について自分でやってきたことについて、うまくいった点、そうでなかった点というような話も聞きました。コーチングスタッフの体制についても聞きました。選手たちが戦ってきた中で足りない点、選手の構成人数についても聞きました。今現在の戦いながら作り上げてきたチームの自己評価も聞きました。そういう話を含めて、我々強化担当の3人で評価をしました。評価というのは相対評価になりました。来シーズン誰が監督をするのが良いのかというのがポイントになりました。その時点で候補がいましたが、その候補と樋口監督を比較した上で、樋口監督続投となりました。
―新監督の候補があったということですが、これは監督の交代を前提としてのリストアップでしょうか?
海保:
前提ではありません。まだ迷っている、検討中という状況でした。ダメな状況で人を探すということではないでしょう?樋口監督の人間性、この長丁場を戦ってきたという経験は監督にとっても財産であり、我々にとっても財産です。そういう財産が樋口監督続投の重要なポイントになりました。今後チームも増え、試合数も増える可能性があります。そういうようなところも考えた上でということになります。
―新しい監督候補に対するアプローチはありましたか?
海保:
樋口監督続投の選択肢もあったので、人を介してのアプローチとなりました。
―監督が1日迷われた理由は?
樋口:
基本的にはチャンスを与えていただいた、だが与えられたからすぐやるということではなく、実際自分がその大役を受ける決心・決意を固めなければ受けることは出来ない。その決意を固めるために1日かかったということです。
―今季Jリーグの監督を初めて務めて、ここまで戦ってきた感想は?
樋口:
自分自身ここまでコーチ経験しかなかった。監督とコーチの役割の大きな違い。逆に言えば、監督としてのやりがいを感じました。シーズンを戦った感想を言えば、自分のやろうとしたサッカーを実現出来たところ、出来なかったところがありましたが手応えは感じています。勝つチームとしては作れなかった。そういう部分は来シーズン実現したいと思っています。
―先日の試合(草津戦)の後、「成長している手応えはある」ということをおっしゃっていましたが、来季に向けての自信は?
樋口:
このチームの指揮を執って、選手・スタッフはサッカーに対する真摯な姿勢を持っている。特に選手たちはゲームに対するモチベーションを持っている。これをこの1年継承出来たという手応えがあります。攻撃・守備のクォリティーはシーズンの当初に比べたら大きな成長をしていると感じます。ゲームの内容、データ等の客観的な数字を見ると、チームは成長していると思います。これを来年発揮したいと思います。
―来季への目標をお聞かせください。
樋口:
J2に参戦する以上、上のステージを目指します。逆に目指さなければ意味がないと思います。
―11試合連続勝ち星がなかった時に続投を決めた理由と、来季のスタッフについて、現状スタッフで来季J1昇格を目指せると思っているのか、また足りない部分はどこだと思っているのか?
海保:
勝ちきれないという感じではありましたが、何かちょっとしたものがここに加われば、結果が逆になる感じはありましたよね。11月末の移籍リスト作成の時期も考えて、この時期での決断となりました。樋口監督続投を決めた理由は「これさえやっていれば間違いないという信じられる戦法」と「選手の起用」、それが今、出来つつあると感じたからです。そういうことで11月10日という時期で決断した理由です。
樋口:
コーチングスタッフに関しては、私自身、このチームのスタッフは本当にハードワークをしてきてくれて、いい仕事をしてくれたと思います。積み重ねと言いましたが、これはスタッフも含めて同じように出来たこと、出来なかったことを積み重ねています。コーチングスタッフには私も含めて足らないものがあります。それを補って、来年更なる成長をしたいと思います。
―コーチと監督では、実際どういった違いを感じましたか?
樋口:
一番の違いはコーチはあくまでもアドバイザーであって決定者ではない。毎試合16人のメンバーを決めて、先発メンバーを決める。全ての決定をするのが監督です。その決定する際にアドバイスするのがコーチ。その決定事項を進めるのがコーチです。やりがいという部分では、決定することは非常に大きなこと、その決定したことを信じて仕事をするという意味でのやりがいと捉えました。
―天皇杯甲府戦を指標としたいとおっしゃっていましたが、この点については?
海保:
樋口監督の采配面に対する評価としてはそれほど差異はないです。あの試合は2対2になっても引き分けだと思っていました。勝てるとも思っていました。続投を決定という印象よりも勝てると思っていた印象の方が強かったです。
―采配や「あとちょっと」という印象では極めて評価は高かったと?
海保:
それはそうですね。むしろ続投の決心をした大きなポイントは8日の話し合いですね。
―来季の選手について
樋口:
今季も来季もいいチーム・勝てるチームを作らなければいけません。その元となるのは選手です。実際編成が終わった段階で戦い方は変わってくると思います。それはベストではなく、今の戦い方を継承して、成長を止めずにその中で勝てるチームを作って行きたいと思います。
―コーチングスタッフの経験の浅さが今季の成績に影響したかどうか?その辺りについてどう考えていますか?
海保:
そういうことはあるかもしれませんが、あまり強くは感じていません。監督はとにかく采配を振るうわけですから、その局面で判断しなくてはいけないわけですから、経験は必要です。コーチングスタッフは日々、トレーニングにおいて実践しながら成長していくということだと思っています。ですからそれほど、コーチングスタッフの経験不足は心配していません。
―目指しているサッカーということですが、具体的に教えてください。
樋口:
攻撃と守備が表裏一体となってピッチで選手が躍動するサッカー。常に攻撃と守備が切り替わるのがサッカーの魅力であり、サッカーの面白さであると。それを来季もぜひ継承していきたいと思っています。
―8日の話し合いのときを終えたときの監督自身の印象と、監督からクラブ側へ、来季の要望などは出されましたか?
樋口:今年1年その時点での手応えとか考え方をお話しさせていただいて、後はクラブ側の判断にお任せするという気持ちでした。クラブから聞かれたことをお話ししました。
―今年のサッカーを継承するという話がありましたが、選手の動きについてはそれほどなく、このままの体制で行きたいという風にお考えでしょうか?
海保:
これからいろんな動きが出てくるかとは思います。新人選手の獲得も鋭意進めていまして、順次加入するわけですから、戦力外のリストアップもする必要があります。また他クラブからの移籍交渉も出てくると思います。そういった動きも考えて対応しなくてはいけないと思っています。我々としては高校生を中心とする自前で鍛えた、ユニフォームの前面にもある「はえぬき」の選手を育てていきたいと思っています。
―11試合勝ち星がなかったとき、監督を辞めなければいけないとおもったことは?
樋口:
私自身は途中で投げ出すことは絶対にしないと思っています。当然結果が出ないという責任は痛感しています。ですが、やっていることに対する手応えはあるし、選手たちが現状を踏まえて前向きにプレーしているのに、ここで自分が投げ出すことは絶対にしないと思っていました。
―11月14日に来季の承諾の返事をしたときと、1年前に監督就任を決意したときとでは、来季への期待は比べるとどんな感じでしょうか?
樋口:
このような重要でやりがいのある仕事のチャンスをまたいただいたので、そういう決意を自分自身がしたということで、そういう部分では全然変わっていません。
―自前の選手を育てていくというお話でしたが、今シーズンの若手選手の育成に関してはどのように評価をされていますか?
海保:
今シーズンの新人選手は試合に出る機会はなかったですね。坂井選手に関してはサテライトに出場するとすごくワクワクさせてくれたという印象を持っています。ですから成長したということでもないし、全く成長しなかったということでもないように感じておりません。
下部組織の育成に関しては、庄内と村山のジュニアユースは県内の高円宮杯予選ではワンツーフィニッシュをしました。東北大会では惜しくも全国大会への切符は逃しましたが、着実に育っているようにも思います。特に庄内の方では新しく入ってくる1年生で、楽しみな選手が入ってくると聞いております。
―来季の選手数はどうお考えですか?
海保:
経営的には厳しい状況が続きますので、今季のスタートは28人で始めまして、選手枠は結果的に30人になりましたけれども、その範囲内でしょうね。コーチングスタッフに関しても同様にしなければいけないと思っています。
それから先ほど1つ言い忘れましたが、11月8日に樋口監督との話の中で、最後に「今日の話し合いの結果、我々はプロとして来シーズンの監督について検討するので、樋口君でなくなる場合もあるし、樋口君にお願いすることもある。そこはプロとしてご理解ください。」と話をして、快諾いただきましたことを付け加えさせて頂きます。